旧士族の調査~を再加筆しました。(令和元年6月6日)

家禄奉還願を読む その2

武士の世界

今日は東京へ引っ越し酒屋を始めた士族の家禄奉還願を紹介する。

家禄奉還之儀ニ付願書

永世禄壱ケ年現米六石八斗頂戴罷在候処
東京表江罷越商法為試検寄留仕
酒店渡世相試候處猶此上手廣ク仕候江者
急度商法相立可申与奉存候ニ付
今般第四百弐拾五号之御布令ニ随而
家禄奉還仕候依之産業資本金
御規則之通下賜候様奉願候以上

第一大区十六小区
添下郡郡山在住  喜兵衛 事
明治七年甲戌九月八日 士族 〇〇 嘉平
前書之通相違無御座候仍奥印仕候以上
副戸長 椿 重㊞
戸長 筒井 慶治㊞

「喜は漢字の七を山形に3つ 変換できなかった)


家禄奉還之儀ニ付願書

永世禄壱ケ年現米六石八斗頂戴罷在(まかりあり)候処東京表江(とうきょうおもてへ)罷越(まかりこし)商法為試検(しょうほうしけんのため)寄留(きりゅう)仕(つかまつり)酒店渡世(とせい)相試(あいこころみ)候處(ところ)猶此上(なおこのうえ)手廣ク仕候江者(つかまつりそうらえば)急度(きっと)商法相立(あいたち)可申与(もうすべくと)奉存候(ぞんじたてまつりそうろう)ニ付今般第四百弐拾五号之御布令ニ随而(したがって)家禄奉還仕候依之(これにより)産業資本金御規則之通下賜(くだしたまい)候様奉願(ねがいたてまつり)候以上

第一大区十六小区
添下郡郡山在住  喜兵衛 事
明治七年甲戌九月八日 士族 〇〇 喜平
前書之通相違無御座候仍奥印仕候以上
副戸長 椿 重㊞
戸長 筒井 慶治㊞

「喜は漢字の七を山形に3つ 変換できなかった)

「寄留」というのは、本籍地以外の場所に長期に住まいすることです。単なる旅行ではありません。先日アップした「困窮する士族たち」にも出ていますが、あの嘆願書は柳澤保伸が本籍地の東京から離れ、郡山に一時寄留していたときに書いたことから、当時添下郡北郡山村 寄留と書かれています。

この家禄奉還で資金を得た士族たちは、続々と郡山を離れ、郡山は急激に衰退して行きます。

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