元 大和郡山藩 柳澤氏の家臣であった士族後胤の為のサイトです

貫属人名録を再確認してきました

武士の世界

この数日間奈良県立図書情報館に籠って、明治期の公開公文書の調査を再開していた。
既に必要と思われるものは殆どコピーしてあるが、このアイキャッチの写真のように、分厚い簿冊に纏められていると、真ん中の部分が殆ど読めない。これを無理に押し広げる訳にはゆかないので、昨日・今日の2日間は、既にコピーしたものを持って行き、現物を見ながら真ん中部分を確認して手書きで追加していた。
何分にも明治期の150年近く前のものだけに、扱いには注意が必要で、特に「虫食い」が発生している部分などは触ると崩れてしまうので、慎重に扱わねばならず、毎度のことであるが本当に緊張する。

貫属家禄人名帳

廃藩置県により郡山藩から奈良県へ所属替えになり、県から大幅に減額された家禄を受けることとなった。これは「家禄」を認められた方(士分)たちの分です

ネットの上には詳しくかけないが、相当量の史料を収集した。明治期の元郡山藩士族は100%お名前を手元に保管している。

私が柳蔭会の再興を言い出したのは、これらの史料が存在することを知っていたからで、これを知らなかったらとてもそんなこと言い出せなかっただろうと思う。

私は家系を探ることをあまり重要視していない。「家系は遠祖の祭祀と別には存在しない」というのが信念みたいなものでずーっと心の中にある。立派な家系図を持っておられても、その遠祖が何処に葬られているか判らないでは全く意味をなさない。家系は遠祖の祭祀を継続してゆくと自然と繋がってゆくものであり、例え著名な一族の後胤であろうが、遠祖の祭祀を本家と共に行わなくなれば、その時点で遠祖との関係は切れた(貴方が自分で切った)のだと言える。

明治の混乱期にはその一日を、家族が雨露を凌ぎ、何とか食事をして生き延びることだけで精一杯であり、金銭に変えることが出来るものは殆ど売り払ってこられた。それを非難することは誰にもできない。漸く生活の目途が立ったのは、恐らく明治も中ごろになってからであろう。そんな厳しい世の中を生き抜いてこられても、大事な位牌や過去帳・家系図を伝承しておられるのが、本当の武士の子孫だと私は考えている。高禄の藩士であっても家系図を伝承されている方は殆どおられません。そういう文化が江戸期の一般藩士には殆どありませんでした。

秩禄処分を受け、一時金を手にした士族たちも急激なインフレに翻弄され皆さん苦労なされた。

そんな中でも旧交を忘れず、柳蔭会を昭和15年まで続けてこられたのには、本当に頭が下がる。

第二次世界大戦の敗戦により戦後の大混乱期に立ち消えになったことも止むを得なかっただろう。
辛うじてそれを伝承したものとして、何とか復活したいと考えている。

拙家が京都東寺の庄園であった丹波大山庄の地頭であったことから、大山庄の研究論文や大山村史・同史料編などに触れることがあり、特に村史と史料編を丹波に残った一族より贈呈されたことが切欠となり、必然的に歴史の研究へと足を踏み入れることとなった。全くの独学であるが、茫々と40年近く常に歴史史料と向き合ってきたことが今日の柳蔭会復活への提言に繋がった。

久しぶりに古文書解読をしてみると、判っていた筈の文字が解らないなど、未だにさらさらと書かれた文書は苦手であるが、石の上にも3年ではないが、歴史史料と長年付き合ってくるとある程度は感で読めるものもある。
それでも、明治期の文書、特に手紙類は難しい。又、僧侶の漢籍かと思うような手紙はは、相変わらず意味を理解できない。これが漢籍を学んできた者との違いであろう。

貫属給金人数取調帳

廃藩置県により郡山藩から奈良県へ所属替えになり、県から大幅に減額された給金を受けることとなった。これは「家禄」を認められず、金給になった方達(卒)の分です

読み違えはあるだろうが、これで元郡山藩士族全員、一人も残さずお名前を収集することが出来た。江戸期の役職については柳澤文庫発行の大分限帳をみないとわからないが、私たちは明治期の士族を対象としているので、元郡山藩士族であることが確認できればそれで良い。家老も三両二人扶持も同じ士族です。郡山藩・あのお城・冠山城にご縁を持っておられた方のご子孫が対象です。江戸期の禄高や席次・役職はプラスα程度にしか考えていない。

既に他の記事で書いているが、個人情報を公開することへの抵抗が大きくある。軽々にネットに名簿をテキストベースで掲載することは、全く考えていない。このサイトで検索すすれば遠祖の名が出てくるかと期待される方には申し訳ないが、柳蔭会の会員以外にはテキストベースの名簿は公開致しません。

この後何回かの準備会を経て、正式に柳蔭会を復活させ、次の世代へこの歴史史料をちゃんと伝承し、会を継続して頂けるよう、出来るだけ簡潔に、解りやすく、文章をまとめて行きたいと思う。

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